当事務所にご依頼頂く内容として最も多いのが、この「遺産分割協議」になります。なぜなら、相続手続きにおいて最も基礎となる手続きであり、その他の手続きはこの遺産分割協議のいわば例外的な手続きと言えます。
ですが、この作業は多数人間での利害調整を法律に則って処理する高い能力と経験が問われるものであり、法律のプロである弁護士の器量が大きく問われる作業であると言えます。 当事務所では全国各地からご相談を受けており、実際にご依頼いただいた件数も年間数百件を数えております。お話合いでの解決であれば、その解決方法というのも百件あれば百通りあるといえます。
そこで、まずはご相談者様がどのような立場にあるかを理解していただくために、遺産分割協議とはどのような手続きであり、それに該当しない場合はどのような手続きをすれば良いのかをフローチャートにしたがって説明していきます。 遺産分割協議が理解できれば、相続手続き全てを把握することが出来ます。
遺産分割というのは、簡潔にいえば亡くなった人の遺産を相続人が分けることです。くわしく説明すれば、被相続人が遺言を残さずに亡くなった場合、相続の発生によって、被相続人の遺産は相続人全員が共有している状態となります。
一見、みんなが保有している状態であればよさそうに思われるかもしれませんが、共有状態にあるものは、その都度処分するのに他の共有人に許可をとらなければこれを処理できないため、実は大変不都合なのです。 そのため、共有状態となった遺産を各相続人に具体的に配分していく手続が必要となります。これを遺産分割といいます。
その後、相続人の間で協議が整うと、その内容を証明する遺産分割協議書というものを相続人全員で作成します。いわば、遺産分割協議とはこの協議書を作成するための手続きといっても過言ではありませんし、 これが実質遺産分割協議のゴールともいえます。
これらを理解したうえで、いよいよフローチャートに移ります。
チャートからもわかるように、一部の例外を除き、ほとんどの相続手続きが遺産分割協議に集約されることがわかると思います。
後述する遺留分減殺請求や登記なども、分割協議からの派生であるといえます。詳細については各項目を参照の上、まずはお電話にてご相談ください。 遺産分割協議において、このような相談を多数受けますが、これらはその一例に過ぎません。
といった具合に、相続問題は家族間での争いのため、精神的ご負担がとても大きく、つらいものです。早期に、かつ円満に解決するためにも、実績ある当事務所にぜひお任せください。
相続では、本来、被相続人が亡くなった場合には、法定相続人が遺産分割協議によって各人の遺産の取り分を決めます。
しかし、実際相続が発生してみると、被相続人が遺言書を残して亡くなるケースが少なくありません。また、この遺言書がある場合には、遺産の受け取る割合や分配方法が指定されている場合がほとんどです。
本来であれば、遺言書は相続における紛争回避に役立つものですが、実際には、遺言書が残されている場合のトラブルとして、内縁の妻(愛人)や第三者に財産の全てを相続させる、 法定相続人の1人に財産の全てを相続させる、といった偏った内容である場合が非常に多く見受けられます。ではこうした場合、遺言書に記載のなかった法定相続人には一切相続することができないのでしょうか?
実はそうではありません!たとえ遺言書に「○○に財産の全てを相続させる」といった記載があったとしても、法定相続人には最低限、 民法で定められた割合の遺産を受け取る権利があり、保障させています。これを一般的に遺留分といいます。そして、「遺留分減殺請求」とは、法定相続人が、この民法で保障された割合を侵害されている場合 、自らの権利を取り戻すために行うものになります。「遺留分減殺請求権」を行使できる人達とその割合は下記の通りとなります。
①配偶者
②被相続人の子(代襲相続人も可)
③直系尊属(被相続人の父・母など)
遺留分の割合
①原則、法定相続分の2分の1
②直系尊属(父・母など)のみが相続人の場合は、法定相続分の3分の1
※ここで気を付けなければならないのは、被相続人の兄弟姉妹には遺留分減殺請求権は無いという点です。通常の遺産分割協議であれば、 兄弟姉妹にも法定相続分は存在しますが、遺留分に限っては、兄弟姉妹には権利が存在しません。
遺留分割合の例
遺留分減殺請求権には時効が存在します。これは、遺留分権利者が自身の遺留分を侵害されている事実を知ってから1年と民法で定められています。 また、遺留分が侵害されている事実を知らずとも、また、そもそも相続開始の事実を知らなかった場合においても、相続開始から10年を経過した場合には時効となりますのでご注意ください。
上記のように、遺留分の時効は1年となってはいますが、実際に遺留分請求を行う場合にはできるだけ、早くご相談いただくことをおすすめします。
ご自身の遺留分侵害の事実を知るタイミングとしては、ほとんどの方が遺言書の存在を知った時となるでしょう。しかし、裁判所での争いとなった場合、 いつその遺言の存在を知ったかという点での争いとなってしまうと、そのタイミングが時効期間と切迫していた場合、いつ知ったかということを証明することが非常に困難となります。 こういった無用な不安要素を増やさないためにも、遺留分減殺請求に関してはなるべく早急なご対応が必要となります。
遺留分減殺請求を行使する際には、ご自身で遺留分の金額を計算し、相手に対して請求する必要があります。
計算式は、遺産の金額×遺留分の割合=遺留分の金額となります。また、最高裁判所の提示した計算方法では、「遺留分の侵害額は、被相続人が相続開始時に有して いた財産の価額にその贈与した財産価額を加え、その中から債務の全額を控除して遺留分算定の基礎となる財産額を確定し、それに法定の遺留分割合を乗ずるなどして算 定した遺留分の額から、遺留分権利者が相続によって得た財産の額を控除し、同人が負担すべき相続債務の額を加算して算定する。」となっており、生前贈与を含める内容となっています。
この計算式を利用するには、あくまで基となる遺産の全てを把握できている必要があります。しかし、遺言書でご自身の取り分が0という立場にある方に関しては、遺産の全容が把握できない立場の方がほとんどでしょう。
では、どうやって遺留分の金額を算出するのか。そこで重要となってくるのが、遺産調査です。せっかく遺留分請求をできる権利があるのにも関わらず、 しっかりとした調査をしてしなかったがため、本来の遺産総額が把握できず、実際取得できたはずの金員が取得できなかったといったミスをおかさないために、 取りこぼしのない確実な遺産調査が必要です。当事務所では、この遺産調査において高い専門性を誇っておりますので、費用等も含めお気軽にご相談ください。
わたしは父が経営している工場を継いで、10年近く何とか経営を続けていました。その折、父が癌で突然亡くなりました。葬儀や四十九日も終わり、気持ちの整理もついたので、 親戚を集めて、父の遺産をどのようにわけるかの話し合いをおこないました。わたしは工場の経営が不況の煽りを受けて、あまり好調とはいえなかったので、父の財産を少しでも工場の経営資金に当てようと思っており、 今回の父の相続には正直なところ多少の期待をしておりました。
しかし、父の財産を調べてみると、預金もわずかしか残っておらず、逆に銀行からの借入が数千万残っていることがわかりました。その時は混乱してしまい、そのまま放置していたのですが、 その後銀行から父の借金を返済するように督促を受けるようになりました。父が借りた借金をわたしが返していかなければならないのでしょうか?
相続放棄とは、「相続することを放棄する」手続きのことです。
相続放棄を理解するためにも、前提として「相続」とは何かを理解する必要があります。 相続が生じると、預貯金や不動産などのプラスの財産のみではなく、借金や滞納金などのマイナスの財産も、相続人に自動的に引き継がれることになります。 つまり、自分が全く知らない借金や滞納金であったとしても、相続人であれば、法律上、自動的に支払い義務を負わされてしまうということです。
しかし、たとえ親族が残したものであったとしても、自分の借金や滞納金でないものを、法律上、問答無用で背負わされるというのでは、あまりにも理不尽です。 そこで、自分は相続に一切関わりたくないという方のために、「相続放棄」という制度が用意されることになったのです。
相続放棄をすると、相続に一切関わる必要がなくなり、その結果として、借金や滞納金などのマイナスの財産についても引き継がずに済むことになります。
注意しなければいけない点は、相続放棄は、相続人が遺産を残した人の死亡を知り、さらに、自分が相続人になったことを知ったときから3ヶ月以内に手続きしなければなりません。この3ヶ月を、熟慮期間と言います。
このように相続放棄はとても便利な制度ですが、ちゃんと理解していないと逆に不利益を被ってしまう可能性もあります。それらをまとめると以下の通りになります。
メリット | デメリット |
---|---|
故人が負債を抱えていた場合、それらの返済を一切負わなくてよくなる | プラスの財産も同じく、一切相続できなくなる |
(放棄の事実を知らない)債権者に対しても、放棄の効力を主張できる | 一度、申請が受理されると、取り消すことが出来ない |
相続開始を知ったときから3か月以内に申請しないといけない。第1順位の者が放棄しても、第2順位、第3順位の者へ相続権が移る |
相続放棄は確かに便利な制度のように思われますが、しっかり内容を理解していないとデメリットの部分を被ってします可能性があります。
例えば、
このようなトラブルを回避するためにも、しっかりと制度を理解し、相談者様ごとのご事情に対応できる弁護士に依頼するのが好ましいといえます。
また、当事務所では上記のような
「3ヶ月を過ぎてしまった…」「財産があるのか、ないのかなんてすぐにはわからないから、手続きするかの判断のしようがないよ…」
「一人暮らしの18歳の息子が勝手に放棄してしまったみたいなのですが…」といった原則は対応できないような事例であっても解決ができたケースがあります。まずは、法律のプロである我々にご相談ください。
当事務所では全てのお客様に対して、無料相談を行なっております。相続放棄について疑問点がございましたら、どんなことでもご遠慮なくご相談ください。 なお、ご相談の方法は、「電話相談」「お問合せフォームによる相談」「事務所での面談による相談」の3つからご自由にお選びください。
当職からお送りします書類への記入が完了しましたら、以降の全ての準備を当方で整えます。なお、必要書類の収集を別料金にしている所も多いようですが、 当事務所では全て料金に含まれておりますので、別途費用を頂くことは一切ありません。
手続き開始からおよそ3週間~4週間程度で、「相続放棄申述受理通知書」が届きますので、これで手続きは全て完了です。
親しい方が亡くなって相続が開始してからまず何をおこなえばよいのでしょうか?まず、相続人が誰かを確定させる必要があります。
例えば一旦家族内で話し合って財産の分与を確定させたとしても、その後に判明した相続人から反対されてしまえば、その協議内容は無効になってしまいます。 そこで、そのような事態を防ぐため戸籍を取寄せて相続人を確定させておく必要があります。
次に、亡くなった方にどれくらいの財産があったのかを把握しておく必要があります。 財産調査をおこなって、「財産目録」を作成しておくことで、相続人間のお話し合いもスムーズに行うことが出来ますし、仮に調査の結果プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多かった場合、 相続放棄をおこなうかどうかの判断材料となるため必須の作業といえます。
相続においてこれらの財産調査をおこなっておくことは、法的義務は無いものの、未然のトラブルを防ぐためにも必須の作業といえます。
生前に故人の方が遺書を残しており、財産の整理やその目録を作成されているようなケースは稀であり、そうでない場合はこれらの手続きをすべて相続人の方々が行う必要があり、 財産調査のみで半年以上の期間を費やしてしまうといったケースが多々あります。
当事務所ではこれらの調査を専門の調査スタッフ、他士業と共同で実施することで、費用を最小限に抑えることが可能になり、 親族関係図、財産目録を作成するまで約2、3か月でご用意が可能となります。
このようなご不安を解消するためにも、当事務所の弁護士、スタッフ一同迅速な解決に向けたサポートをお約束します。
※調査内容、案件状況により増減する可能性あり
平均2か月から3か月
※調査内容、案件状況により前後する可能性あり
調査労務費として20万円(税別)+実費費用(郵送料、手数料等)
遺産分割協議書って名前は聞いたことがあるけれど、実際にはどういうものでどうすればいいの?
遺産分割協議書とは、法的に作成を義務付けられているものではありません。しかし、後述する相続登記の際には必ず提出を求められますし、相続登記の必要がない場合であっても、内容について事後的に発生するトラブルを防止する必要があります。
そのためにも、例え話し合いが円満にまとまっていたとしても、金融機関から提出を求められことも多いこの書類の作成は、強くおすすめします。
また、記載方法、文言については、やはり専門性の高いものになりますので、作成においてはプロである弁護士に依頼することが好ましいでしょう。
当事務所でも、円満に話し合いができている相続人の方から協議書作成のみのご依頼も多くいただいておりますので、どうするのがベストか?とお悩みの方などは、お気軽にご相談ください。
相続登記って、具体的には何をどうすればいいの?かなり面倒な作業だとは聞いたことがあるけれど・・・
相続において、過半数の方が必要となってくるであろう手続きの一つとして、被相続人名義の不動産の移転登記があげられます。
これは、被相続人が持家や事業に要する不動産を有していた場合、遺産分割協議もしくは遺言書により相続する人が決まった後、法務局へ行う手続きになります。
ただし、不動産の登記とは言っても、そのやり方は提出する資料の多さと作業の煩雑さから、一般の方が容易にできるものではありません。
中には司法書士に登記のみをお願いする方もいらっしゃいますが、遺産分割協議書の作成やその前の協議の段階から弁護士にご依頼いただいている方、もしくは、 相続に関わる問題が今後万が一出てきた時にどうすれば?といったご不安がある方に関しては、 登記作業においても相続実務を得意とする当事務所のような弁護士事務所にご依頼されることをおすすめします。費用等も含めお気軽にご相談ください。
被相続人が自筆遺言書を残して亡くなったが、だれが何をすればいいのか分からないんです・・・
遺言執行者とは、遺言書の内容を実際に執行する人のことをいいます。 遺言執行者には、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務が与えられており、遺言書の趣旨・内容に沿って、 各相続人の代理人として財産の名義変更や解約手続きなどを執り行います。
本来であれば、自筆証書遺言、公正証書遺言に関わらず、遺言書の中で執行者を指定されていることが望ましいのですが、実際には、 自筆証書遺言などでは執行者の指定がされておらず、分配方法の指定や割合の指定のみとなっていることが多数あります。
このような場合には、家庭裁判所に遺言執行者選任申立の手続きを行う必要があります。また、執行者に選任された人は、直ちに執行の事務に着手する必要があります。
しかし、遺言書で執行者が選任されている人が一般の方である場合には、その執行者の方が何をどのように処理すれば良いのかが分からず、 執行業務が遅滞してしまうことがあるようです。先述した、執行者の選任申立手続きが必要な方や、執行者に選任されてはいるが、自分では何をすればいいのか分からない、 といった方に関しては、その業務を代理人として弁護士に依頼することをおすすめします。
執行者自体が相続人の代理人ですが、更にその代理人となれるのが弁護士です。 相続のプロである弁護士であれば、各手続についても遅滞なく執行業務を遂行するこができますので、上記のような状況でお困りの方については、費用等を含めお気軽にご相談ください。
※また、HP上に記載のない事案や内容に関しても、ご不明点があれば、お気軽に直接電話相談ください。